外国人留学生の企業側採用担当者の方へ
最終更新日:2024年11月17日 行政書士 勝山 兼年
外国人雇用の際にする出入国在留管理局就労ビザ手続き
外国人を雇用し働いてもらう場合は在留資格を確認しなければなりません。もし。就労ビザでなければ出入国在留管理局にて下記の手続きをしてください。
状況別就労ビザ手続き
- 外国から招へいする。
- 留学生を採用する。
- 海外関連会社から転勤させる。
- 同業他社から転職してきた。
上記のように雇用する外国人の状況により、申請の仕方が変わります。出入国在留管理局への提出書類や審査の期間、取得要件などの違いを理解しておかなければなりません。
在留資格上、偽った状態で雇用してしまうと働いた外国人はもちろんの事、雇用主である企業側も不法就労助長罪に問われるのです。
- 不法就労助長罪
罰則:三年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその懲役及び罰金の併科
在留資格手続きは誰がするのか?
採用する外国人に入国管理局での在留資格申請をさせるのはリスクがあります。申請書類の中には「決算書の写し」や「給与所得の源泉徴収票等の法定調書」など、会社にとって重要な書類があります。日本人従業員や守秘義務のある行政書士に代理させる場合は安心ですが、外国人が預かった書類を、写しを取って外部の者に漏らす可能性もあるのです。
入管法では在留資格の確認義務がありますので、知らなかったではすまされません。
採用する側の収集・作成書類
収集する書類は多く、会社の事業の事業概要に係ることや従事させる業務の必要性について提出を求められます。また、作成する書類については申請書などの定形書類の他に採用理由書や事情説明書などがあります。
採用側提出書類
会社の概要を疎明するために会社全部事項証明書やパンフレットなどを提出します。会社の規模を疎明するために直近の決算書や給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表コピーも用意してください。外国人との労働契約を疎明するために雇用契約書または労働系や通知書を作成してください。
- 会社全部事項証明書
- 直近の決算書
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表コピー
- 会社案内パンフレット
- 労務契約書
- 事務所や事業所の写真
外国人を中途採用した場合
就労資格証明書交付申請
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもつ外国人を採用した場合は、資格に応じた活動をしていれば在留期限まで何もしなくても構いません。ただし、採用した会社での従事する業務の内容が、在留資格の資格該当性や上陸許可基準を満たしているかは担保されていません。
在留期間更新手続きの際に更新不許可の恐れがありますので、事前に「就労資格証明書」の交付申請を行い、在留資格の資格該当性や上陸許可基準を満たしていることをかに人しておきましょう。
住居の保証人
採用した外国人が住居を借りる際に保証人になってほしいと、依頼してくる場合があります。一旦保証人になってしまえば、その外国人が会社を退職したのちも、そこに住んでる限りその状態は継続されます。そのようなリスクを避けるため、住居は会社が借り上げ、外国人従業員より家賃をもらっている方が安心です。退職したば場合は、賃貸借契約を解除し、外国人には退去して貰うのです。
給与
昨今の人手不足で日本人の給与は上昇しつつあります。人件費をコストと考え少しでも抑えたいと、外国人を安い給与で雇うとの考えは改めなければなりません。就労ビザが認められるのは高度の専門知識や熟練の技能を持った者に限られます。会社で同様の職に従事する日本人と給与も同等にする必要があるのです。
従事させる業務は
製造業などでの高度な専門知識を要する業務とは、設計やプログラミング等の開発業務です。製造ラインに携わっての作業や機械操作などは単純労働とみなされます。しかし、繁忙期など人手がない時に開発従事者も製造作業を手伝うこともあるのは当然です。一時的に作業を手伝うぐらいはかまいませんが、外国人スタッフが専ら単純作業ばかりしているのでしたら、例え、「技術・人文知識・国際業務」の許可を得ていたとしても在留状況不良とみなされ、採用している会社が不法就労助長罪に問われるのです、
外国人を採用した場合のポイント
留学生アルバイトの確認事項
資格外活動許可があるのか?
留学生、家族滞在の在留資格者であっても決められた時間内であれば、アルバイトをすることは認められています、その場合は出入国在留管理局より外国人が資格外活動許可を受けている必要があります。
週28時間を守っているか?
週に28時間、授業がない(夏休み等)期間は一日8時間以内しか勤務させてはいけません。
上記の事を守らないと使用している会社も不法就労助長罪に問われることになります。
就労ビザ取得後の手続き
就労ビザの更新
在留資格には期限があります。出入国在留管理局では期限の満了日の三か月前から在留期間更新許可申請が受け付けられます。
契約機関・活動機関に関する届出
外国人雇用者が離職した場合は出入国在留管理局に届出をしなければなりません。転職者の就労資格証明書をする前にも届出が必要です。雇用主の名称や事業所の移転なども届出事項です。
外国人雇用者の家族呼び寄せ
配偶者や子供を本国に呼び寄せたい場合は、出入国在留管理局で「家族滞在」ビザを申請することになります。
申請サポート内容 |
要件確認 |
・外国人の就労ビザが許可されるため申請人学歴及び従事させる業務の内容などの資格該当性を確認させていただきます。微妙な場合は出入国在留管理局で事前相談をして確認いたします。 |
証明書類の収集 |
・住民票や採用会社の登記事項証明書などを依頼者様の成り代わって収集致します。 |
申請書類の作成 |
・申請書をはじめ、ヒアリングをもとに採用理由書などの出入国在留管理局に提出する書類を作成します。 |
出入国在留管理局での申請・追加書類についてなどの折衝 |
・出入国在留管理局への申請に参ります。依頼者様・申請人外国人の同行は不要です。また、追加提出書類などについて出入国在留管理局と折衝いたします。 |
在留カード の受取り |
・結果の通知がありましたら、依頼者様に成り代わって在留カード の受け取りに参ります。 |
許可後の外国人の日本入国の案内 |
・ビザ更新手続きなど外国人の日本での生活に関わる行政手続きなどをアドバイスさせて頂きます。 |
就労ビザ取得事例
- 中途採用の外国人材の在留期間更新手続き則
建設会社のH社は人員不足を解消するため、求人募集をしていました。そこに応募していたのが中国籍にMでした。Mはそれまでも建設会社で施工管理の業務に就いていたとのことでしたので、採用を前向きに考える事に致しました。H社では初めて外国人を採用するため、顧問契約している社会保険労務士に確認したところ、在留カードで在留資格を確認するようにと指導されました。Mの在留資格が「技術・人文知識・国際業務」だったので問題ないとの事でしたので、正式に雇用契約し、施工管理、施工図面の作成などの業務に就いてもらいました。
半年後にMから自身の在留期間の更新申請のために、決算書や給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のコピーを貰いたいと要請がありました。H社では重要書類を入社半年に外国人に渡すことをためらい、前期の社会保険労務士に相談すると、会社のスタッフがすることができす、申請は外国人本人又は行政書士に限られるとのことでした。H社は様々なリスクを考え、商会を受けた行政書士にMの在留期間更新許可申請を代理してもらいました。一か月ほどで無事許可がなされたとの報告が行政書士よりありました。
- 審査には雇用会社の概要書類の提出が必要!
- 在留資格が許可されるまで働かしてはいけない!
- 外国人材と雇用契約が必要!