就労ビザのうち経営・管理とは?
最終更新日:2024年11月9日 行政書士 勝山 兼年
外国人が経営者・管理者として働く就労ビザ取得の解説!
日本でビジネスを開始または参加する外国の経営者や管理者には、「経営・管理」の在留資格取得が必要です。海外在住の外国人が日本で自ら会社を設立しやすくするため、在留期間4か月も設定されています。このビザは、資本金500万円以上の投資が必要であり、その形成を客観的に証明する必要があります。飲食店経営の場合、テナントや従業員に関する詳細が必要です。さらに、事業開始後に赤字が出た場合、在留期間の更新のために事業の継続性を示す必要があります。
経営者や日本支店の代表者の仕事とは
「経営・管理」とは、日本において、相当額を投資して貿易その他の事業を開始される方、既に営まれている貿易その他の事業に相当額を投資してその経営に参加される方又はこれらの事業の管理に従事される方など、いわゆる経営者や管理者を受け入れるために設けられた在留資格です。「投資・経営」は、単に会社を設立するだけでは認められず、設立した会社の事業についての安定性・継続性を事業計画書などで立証していく必要があります。
また、「経営・管理」においての「経営者」とは、会社の重要事項決定権や業務執行権などを有している実質的な役員(代表取締役・取締役等)を意味します。会社の重要事項決定権や業務執行権などを有していない形式的な役員の場合は、「技術・人文知識・国際業務ビザ」を取得することになります。
経営・管理在留資格の在留期間に4ヶ月を追加
新規に、自ら起業することを前提に、4ヶ月の在留期間が設定されました。会社の登記事項証明書の代わりに、定款等の自ら起業することを立証する書類を提出します。海外在住の方が日本で会社設立して「経営・管理」の資格を得るには、定款認証時と設立登記時に印鑑登録証明書が必要です。ところが印鑑登録証明書を取得するには住民登録をしなければならず、住民登録をするには就労等の在留資格が必要でした。つまり3ヶ月の短期滞在では会社設立をできず、結果として「経営・管理」の在留資格を取得できませんでした。今後は、4ヶ月の在留カードを保有すると、住民登録、印鑑登録が可能になりますので、独力で会社設立をすることができます。定款を準備した段階で、在留資格認定証明を経由して、4ヶ月の「経営・管理」の在留資格を取得します。日本に上陸したら、すぐに住民登録、印鑑登録をして、発起人として定款認証を行い、更に500万円を出資して会社設立登記を行います。その後、4ヶ月の在留期間内に本来の在留期間(通常は1年間)に更新することが前提になります。今までは、日本に住所を有している協力者が必要だったり、取締役会を設置して取締役の印鑑登録証明書提出のステップを省いたりしてきましたが、今後、基本的にはそのような面倒なことをしなくても良いようになります。
経営・管理在留資格の審査基準
*2人以上の職員を雇用していない場合でも、500万円以上の投資を行っていれば、この基準を満たしていると認められる可能性があります。 。
経営・管理ビザ提出書類
- 在留資格申請書
- 申請人の写真(4×3センチ)
- 返信用封筒(切手添付)
- 理由書・業務内容説明書
- 申請人の履歴書(申請に係る知識を要する業務に従事した機関及び内容並びに期間を明示)
- 益計算書(新規事業の場合は事業計画書)
- 常勤職員数を明らかにする資料
- 事業所の概要を説明する資料
- 写真等
※上記は提出書類の一部です。個別状況により他の書類に提出も求められます。
経営・管理ビザのための会社設立
外国人が日本に投資していることについては会社を設立しで外国人が出資することで証明になります。
資産形成の証明
在留資格「経営・管理」の許可要件として資本金500万円以上の投資が必要です。この500万円をどのように形成したのか客観的に証明することを求められのです。
飲食店経営での経営・管理ビザのポイント
飲食店を経営するための経営・管理ビザは申請の際にテナントや従業員についての詳細を求められます。
赤字決算での経営・管理ビザ更新
経営を始めても事業が軌道に載るまで時間を要します。赤字決算の場合の経営・管理ビザの在留期間更新には、事業の継続性を示す処置が必要です。。
就労ビザ「経営・管理」の取得事例
- 日本の会社の経営に参加してもらう。
外国製革製品の卸売販売を行っているA社は、昨今の為替変動の影響を受け利益が圧迫されています。経営を改善するべくそれまで、大手商社を通じて輸入していた中国産革製品を自社で直接、輸入することを企画しました。直接輸入するとなると、支払資金も多くなり、財務的にも負担に耐えられるかが懸念されました。そこで、中国の仕入元の会社の代表者B氏に支払いサイトなどで交渉したところ,B氏は要求に応じてくれました。ただ、条件としてA社の経営にも参加したいとの事でした。A社では安定した経営のためにB氏の提案を受け入れることにしました。
先ず、B氏個人からA社に500万円出資してもらい、B氏を取締役とする変更登記をしました。そして、A社代表者を代理人として出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請をしました。3か月ほどの審査を経て「経営・管理」の在留資格認定証明書が交付されました。
- 外国人材は経営に特化するため現業はしてはならない。とか
- 資金やテナントなどの実態が審査のポイントとなる。
- 法人化した方が証明は容易!