就労ビザのうち企業内転勤とは?

最終更新日:2024年11月9日   行政書士 勝山 兼年





外国人労働者が日本に転勤して働く就労ビザ取得の解説!

 「企業内転勤」の就労ビザは、外国の事業所から日本の関連事業所に一定期間転勤する外国人のための在留資格です。このビザは、外国人が日本の本店、支店、または系列企業で技術、人文知識、国際業務などの分野で働く際に必要となります。条件として、外国の事業所で1年以上働いていること、そして日本での職務内容と外国での職務内容が関連していることが求められます。また、転勤の期間は限定されており、無期限の勤務は認められません。


資本関係のある会社からの転勤者の仕事とは!?

 本邦に本店、支店、その他の関連事業所がある公私の機関において外国の事業所から本邦の事業所に期間を定めて転勤(人事異動)する外国人を円滑に受け入れるための在留資格です。



 なお、転勤後は社内において「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行うことに限られます。外国にある事業所等において、1年以上継続して勤務していない場合には『企業内転勤』の在留資格に該当しません。






 なお、日本での職務内容と、外国での職務内容に関連性がなければなりません。「期間を定めて」転勤する必要があり、無期限にわが国で勤務する者は、この在留資格に該当しません。転勤する者が、事業所で「経営」または「管理」に従事する場合は、「経営・管理」の在留資格に該当することになります。



就労ビザ・企業内転勤で転勤可能な会社の範囲

 外国にある支店や本店から、日本国内にある本店や支店のような同一会社内に転勤する場合は、もちろんのこと、他に子会社、関連会社関係にある場合の転勤、つまり系列企業内(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則・昭和38年大蔵省令第59号にいう「親会社」、「子会社」、「関連会社」を指す)の出向等も含まれます。


企業内転勤具体例

  • 本店と支店・営業所の移動
  • 親会社と子会社・孫会社・曾孫会社間の移動
  • 子会社間の移動
  • 孫会社間の移動
  • 曾孫会社間の移動(親会社が100%出資している場合のみ)
  • 関連会社への移動(関連会社間の移動は×)
技能ビザ提出書類
  1. 在留資格申請書
  2. 申請人の写真(4×3センチ)
  3. 返信用封筒(切手添付)
  4. 採用・招へい理由書・職務内容説明書
  5. 申請人の履歴書(申請に係る知識を要する業務に従事した機関及び内容並びに期間を明示)
  6. 熟練した技能を有することを証する文書
  7. 職歴を証明する文書
  8. 雇用主の概要を明らかにする資料(会社の登記事項証明書及び案内・パンフレット等)
  9. 企業との雇用契約書等
  10. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等法定調書合計表(受付印のあるものの写し)

※上記は提出書類の一部です。個別状況により他の書類に提出も求められます。





の就労ビザ「企業内転勤」の取得事例

中国子会社からの出向

  産業用ロボット製造会社のH社は、中国にも製造拠点がありました。ロボットの製造組立は中国工場で行いますが、部品の多くは日本製で、多くは輸入していました。昨今の激しい為替変動を受けて、スムーズに部品を輸入することが難しくなり、備品管理の担当者に負担が増していました。そこで、中国工場の部品管理の担当者を日本本社で勤務させて、部品メーカーと密にやり取りができる体制にすることになりました。ただ、日本勤務の候補は日本語検定N2でコミュニケーションには問題ありませんでしたが、学歴が高校卒業でした。中国会社に入社して6年しかなく、学歴、実務経験共に在留資格「技術・人文知識・国際業務」の基準を満たしていませんでした。従事する業務は「技術・人文知識・国際業務」に相当しますので、在留資格「企業内転勤」にして、日本本社人事課の課長を申請の代理人として在留資格認定証明書交付申請をしました。一か月ほどで認定証明書が交付され、日本で勤務できるようになりました。


まとめポイント
  • 外国にある事業所等において、1年以上継続して勤務していなければならない。
  • 期限を決めた転勤である必要がある。
  • 「経営・管理」の業務に相当する場合は「企業内転勤」ではダメ!



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