勤務先が変わった時の就労資格証明書とは

最終更新日:2024年10月19日   行政書士 勝山 兼年





仕事の内容が同じであっても就労ビザにおいて適正であることを確認しておかなければなりません!

  外国人が転職する際にする「就労資格証明書」の交付申請手続きを解説します。この手続きは外国人がそれまでとは異なる会社で働く場合や現在の在留資格で新しい会社で働けるかどうかを確認する場合に行います。この証明書の取得により、雇用主は外国人の在留資格や就労範囲を確認することができるのです。また、永住者や日本人の配偶者など一部の在留資格には仕事内容や時間の制限がないため、そのまま雇用することができます。


転職してきた外国人の在留資格手続き

 転職により、就職しようとする外国人が、就職できる在留資格を取得していることを雇用主に明らかにする時や、現在の在留資格で新しい会社で働くことが出来るかどうか確認する時、 または雇用しようとする外国人がどのような就労活動(職業、職種)が行うことが出来るのかを確認する時、「就労資格証明書」の交付申請を行います。




 なお、在留資格の活動範囲外の転職をされる場合は、在留資格変更許可申請になります。

就労資格証明書

  雇用する予定の外国人の方が現在、就労系在留資格にて別の会社に勤務していている場合、まず実際にその在留資格(「技術・人文知識・国際業務」、「技能」、「企業内転勤」等)を持っているか、そして期限がいつであるかをパスポートや在留カードで確認します。


 気をつけなくてはならないのが、その外国人が既に持っている在留資格や経歴と、その外国人があなたの会社でこれから行う業務内容が合致しているかどうか、という点です。 合致していると思われる場合には、「就労資格証明書」を取得しておくと良いでしょう。そうすれば、現在の在留資格の期限が切れ、あなたの会社の社員として更新する際に手続きがスムーズに行きます。




 ※雇用したいと思っている外国人の方が「永住者」、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の在留資格を持っている場合、この4つの在留資格には仕事内容や時間の制限が全く無いので、そのまま問題なく雇用できます。


転職後の在留期間の更新許可申請は不許可になった時に、日本在留を継続できないリスクがあり、事前に就労資格証明書交付申請することをお勧めします。

就労資格証明書交付申請をするメリット

 就労ビザの在留資格の変更や更新の許可は雇用先で従事する職務の内容についてなされたものです。ですので、転職した場合は出入国在留管理局は新たな雇用先で従事する職務が就労ビザの在留資格上相当性があるのかを判断されていない状況なのです。在留期間の更新許可申請の際に前回の許可時と雇用先が変わっていなければ、雇用先にかかわる書類の提出は免除されますが、転職した後に在留期間の更新許可申請をする場合は、新たな雇用先にかかわる書類の提出や従事する職務の内容をしるした理由書などの提出が必要なのです。そこで、在留期間の更新が許可されなかった場合、別の在留資格に応じた職務のできる会社に転職しなければ、在留期間の更新が認められない事態となります。しかし、在留その時点で在留期限が間近な状況ですので、転職は困難となります。
 このような事態を避けるために、在留期限の余裕のある状態で、雇用先で従事する職務の内容が、在留資格上相当性があるかを判断してもらうのが就労資格証明書交付申請なのです。新たな雇用先での職無内容で就労資格証明書が交付されていれば、その後の在留期間更新許可申請では、簡易な書類の提出だけで済むのです。ただし、転職が在留期限の3か月前より迫っているのでしたら、在留期限更新許可申請をする選択となります。


就労資格証明書交付申請提出書類

技術・人文知識・国際業務の場合
  1. 就労資格証明書交付申請書
  2. 申請人の写真(4×3センチ)
  3. 採用・招へい理由書・職務内容説明書
  4. 申請人の履歴書(申請に係る知識を要する業務に従事した機関及び内容並びに期間を明示)
  5. 最終学歴の証明書(卒業証書)
  6. 職歴を証明する文書
  7. 雇用主の概要を明らかにする資料(会社の登記事項証明書及び案内・パンフレット等)
  8. 企業との雇用契約書等
  9. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
  10. パスポート 提示
  11. 在留カード 提示

※上記は提出書類の一部です。個別状況により他の書類に提出も求められます。







就労資格証明書交付申請の流れ

STEP1

出入国在留管理局での事前相談

  外国人の採用を内定されましたら、出入国在留管理局にて、会社の事業概要や従事させる業務の内容を元に適切な在留資格を教えてもらいます。採用する外国人の学歴や実務経験値から就労資格証明書交付の可能性を確認します。

STEP2

書類の作成・収集

 申請書や採用理由書を作成します。また、外国人の学歴を証するもの、会社の事業概要を証するものなどを収集します。

STEP3

申請書への署名

 提出書類の収集と作成書類が完成したら、申請人(外国人)と採用会社が署名します。

STEP4

出入国在留管理局での申請

 出入国在留管理局にて外国人の在留カード及びパスポートの原本を提出し、申請します。

STEP5

就労資格証明書が交付されます。

 1か月程後、就労資格証明書が交付されます。外国人の住所の変更などがなければ特に市役所での届出は必要ありません。所属機関の届出をします。



就労資格証明書交付事例

派遣社員から直接雇用に変わった場合

 ベトナム人T氏は派遣社員として、産業用機械製造会社で設計の業務についていました。T氏の能力を評価した雇用会社は直接雇用の契約を結びたいと提案してくれました。妻と子供2人を養うT氏は安定した収入を望んでいたため、会社の提案を受け入れました。直ぐに「所属機関等の関する届出」を出入国在留管理局に致しましたが、次回在留期間の更新まで、2年以上期間がありました。直接雇用になっても、これまで通り在留期間更新が許可されるかが心配となったT氏は雇用会社から資料を取得し、就労資格証明書交付申請をしました。1か月ほどして無事就労資格証明書が交付されました。その後のしましたの効用会社の、在留期間更新許可申請も簡易な資料の提出だで許可されました。

2度目の転職の場合

 ネパール人A氏は留学生として日本に来日し、専門学校卒業後に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得てコンビニエンスストア店を複数運営する会社に就職しました。半年ほどで同業他社に転職し一度目の在留期間更新をしましたが、審査において出入国在留管理局より膨大な資料提出を求められ、在留期間更が許可されるのか不安な思いをしました。そのときの在留期間更はが許可されましたが、数年後に業務内容は同じではありましが、飲食店チェーンを運営する会社に転職しました。在留期限までには一年以上ありましたが、前回のような不安な思いをしたくないと考え、就労資格証明書交付申請をしました。事前に前回求められた、新たな雇用先にかかわる書類などを出入国在留管理局に提出し、無事、就労資格証明書が交付されました。

まとめポイント
  • 既に就労ビザを持っている者の転職の際の手続き!
  • 同じ仕事内容でも、雇用先の会社に該当性があるのかを審査される。
  • 就労資格証明書があれば、在留期間更新時の審査は簡素化される。



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