経営・管理ビザにおいての資産形成の証明
最終更新日:2023年9月9日 行政書士 勝山 兼年
経営・管理ビザにおいての資産形成過程
自ら起業してする在留資格「経営・管理」の申請において、その在留資格該当性及び上陸基準適合の観点から外国人申請人は自ら「500万円以上の投資又は出資」をしなければなりません。通常は資本金500万円以上で法人を設立し、申請人外国人は発起人となり出資するのです。
出資金については申請人がどのように形成してきたのか客観的に証明しなくてはなりません。日本在留目的のための単なる見せ金なのか、事業継続が困難となりえる高金利の借入なのか、マネーロンダリングなど不正な資金なのかなどと判断されれば在留資格申請は許可されません。
収入を資産に変えて保管してきた場合
申請人が一定期間社会人生活をおくり、給与などの一部を貯金してきたことは自然な流れです。ただし、収入をどのように貯蓄してきたのかを客観的に証明するが重要です。日本で会社勤めをしてきたのでしたら、給与が振り込まれる預金通帳などで証明できますが、本国で得た収入は銀行などに預けていることは稀ですので、状況ごとに解説させていただきます。また、本国の親族などからの借り入れの場合は資金提供者である親族の資産能力について立証しなくてはなりません。
自己の資産を証明する
- 現金や金塊などを自宅で保管してきた
外国では銀行をあまり信用せず、タンス預金している場合がよく見られます。本国の紙幣も信用していないので保管のため金貨や外貨を購入するのです。この場合は保管場所の金庫や鍵付きの戸棚の写真を撮ってください。金塊などを換金したときの業者との取引明細書の控えを提出すればいいでしょう。
- 親族・知人に貸付していた
まとまったお金を親族・知人に貸し付けている場合もあります。返済を受けて申請人が日本で事業資金に充てるのです。この場合は借用書や金銭証貸借契約書を作成してください。返済間近でも作成し公証を受けることをお勧めします。返済を受けたお金は直ぐに銀行に預入をし、客観的証明としてください。
親族から借り入れを受ける
留学生が卒業後就職せず、直ぐに起業する場合は当然資金はありません。週28時間の制限のあるアルバイトをして積み立てるなど不可能だからです。(不正な手段での資産形成は認められません。)
500万円以上もの大金を本国の両親などから資金の提供を受ける場合は下記の事を証明しなければなりません。
- 本国からの銀行送金記録控え・・・送金主が親族で受取人が申請人であるもの
- 親族関係の証明書・・・公的機関発行のもの
- 資金提供者である親族の資産証明書・・・勤務先からの給与証明書や銀行預金などの財産証明
親族が卒業直後に起業することを理解していること、事業計画に賛同していることを申請理由書に記載しておきましょう。