製造業関連会社が外国人を採用するための就労ビザ

最終更新日:2026年1月4日   行政書士 勝山 兼年


製造業関連会社で働く外国人エンジニアを海外から呼び寄せる


外国人労働者が製造業会社で働く就労ビザ取得の解説!

 在留資格が「技術・人文知識・国際業務」で働く外国人労働者は約 21万人 です。これは「技術・人文知識・国際業務」全体の35%にあたります。製造業においてエンジニアなど生産に係る者と、原材料の輸入や製品の輸出など海外取引に関わる者に大きく分かれます。また人手不足に悩む製造業界では外国人の積極的な採用が進んでいますが、、製造業で働くための外国人労働者のビザ要件が厳しく定められています。その際に必要となる在留資格は「技術・人文知識・国際業務」の他、「特定活動46号」、「特定技能」であり、特定の要件が求められます。一方で、「永住者」や「日本人の配偶者等」など特定の在留資格を持つ外国人には就労制限が無いこと、また留学生や特定活動の在留資格者も一定の制約下で働くことが可能であることをご紹介します。ビザの取得に関する具体的な業務や出来ない業務について解説します。

製造業会社が採用し在留資格を変更する流れ

留学生が製造業関連会社で働くために就労ビザへ変更する


 留学生を採用する場合、在留資格が「留学」のままでは就労させてはいけません。在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変更する手続きを出入国在留管理局に対して行う必要があるのです。

既に日本の他の製造業会社で働ている外国人を採用する流れ

別の製造業関連会社で働く外国人を採用する





設計や生産技術、品質管理などエンジニアとして働く在留資格該当性

 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格該当性において、大学や専門学校で学んだ当該技術もしくは知識の関連する業務でなければなりません。具体的には工学部や理学部の大学、短大、専門学校(日本に限る)を卒業し学位を取得していることです。在留資格「技術・人文知識・国際業務」の者が従事できる業務は機械・電気・電子設計、、品質管理、研究開発業務などです。組立ラインでの作業、検品・梱包・仕分け、部品の単純加工、倉庫作業、ピッキングなどの専ら製造現場で作業をすることは単純労働とみなされ「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では認められていません。

貿易実務、技術翻訳・通訳ど国際取引業務として働く在留資格該当性

 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格該当性において、大学や専門学校で学んだ当該知識の関連する業務でなければなりません。具体的には国際貿易、経済・経営学部や言語学部の大学、短大、専門学校(日本に限る)を卒業し学位を取得していることです。在留資格「技術・人文知識・国際業務」の者が従事できる業務は海外営業、貿易実務、購買・調達、技術翻訳・通訳、海外向けマーケティング業務などです。


 製造業会社の研修の一環として、相当な期間内に単純労働をさせることは認められますが、その場合は職務内容に必要な研修内容であることを合理的に説明する書面を求められます。





在留資格建「技術・人文知識・国際業務」において製造業での業務

エンジニアとして認められている業務
  • 機械・電気・電子設計
  • 生産技術
  • 品質管理
  • 研究開発
国際取引業務として認められている業務
  • 海外営業
  • 貿易実務
  • 購買・調達
  • 技術翻訳・通訳
  • 海外向けマーケティング
認められない業務
  • 組立ラインでの作業
  • 検品・梱包・仕分け
  • 部品の単純加工
  • 倉庫作業
  • ピッキング


実務経験は10年以上が必要

 技術業務では採用をしたい外国人材に大学や短大を卒業しておらず学位がない場合、専門士の称号も無い場合でも実務経験があれば在留資格の基準を満たす場合があります。

 海外の企業でエンジニアの業務に従事している期間を「10年」以上証明できれば学歴が無くても在留資格許可されることがあります。実務経験を証明することとは、その外国人材が過去に勤務していた会社から在勤証明書発行してもらうことです。複数の会社からでも構いません。合算で10年以上の実務経験が証明さればいいのです。自己申告だけではダメです。
 国際業務では実務経験は3年以上で足り、過去の本国等の勤務先で日本の企業との取引経験を「3年」分証明ができれば良いのです。

  • 技術・人文知識=実務経験10年以上を証明しなければならない
  • 国際業務=実務経験3年以上の証明で足りる

在留資格「特定活動46号」

 在留資格「特定活動46号」は上記の「技術・人文知識・国際業務」よりも幅広い活動が認められています。建設で働く外国人留学生アルバイトの指導係などは「技術・人文知識・国際業務」では認めらていませんが「特定活動46号」では認められます。また、現場での調理、接客、店舗管理に従事することも認められています。

 能力要件においては、日本の大学又は大学院を卒業していなくてはなりません。また、日本語能力として語日本語検定N1または専攻は「日本語」でなければなりません。

特定活動46号の概要

 本制度は,本邦大学卒業者が本邦の公私の機関において,本邦の大学等において修得した広い知識,応用的能力等のほか,留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として,幅広い業務に従事する活動を認めるものです。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格においては,一般的なサービス業務や製造業務等が主たる活動となるものは認められませんが,本制度においては,上記諸要件が満たされれば,これらの活動も可能です。ただし,法律上資格を有する方が行うこととされている業務(いわゆる業務独占資格が必要なもの)及び風俗関係業務に従事することは認められません。

特定活動46号におい製造業会社で働くための外国人の能力要件
  • 日本の大学・大学院を卒業していること御
  • 日本語能力検定N1 or BJTビジネス日本語能力テスト480点以上または大学又は大学院において「日本語」を専攻してていること




在留資格「特定技能」で働く

 在留資格「特定技能」は平成31年4月にスタートした制度です。「技術・人文知識・国際業務」では認められない現場作業などの特定技能(工業製品製造業分野)で認められているて範囲をすることができます。




 「特定技能」の人的要件は大学や専門学校を卒業している必要はなく特定技能能力試験合格とN4以上の日本語能力を求められるだけです。例えば、本国で高校卒業者であっても「留学」の在留資格で日本に在留中に上記の試験に合格さえすれば要件を満たすことになります。経済的に進学が難しい者であっても日本で就労ビザが取得できる最短の制度なのです。

 一方外国人を採用する側である雇用主は「技術・人文知識・国際業務」にはない、外国人支援計画を作成し実施しなくてはなりません。自社で支援を行うのであっても相当な労力が必要です。また、支援計画実施に当たって一部または全部を登録支援機関に委託することが認められています。この場合は登録支援機関への委託費用が給料以外のコストとなるのです。


製造現場で働くための「特定技能」の要件

外国人の能力要件
  • 18歳以上の男女
  • 工業製品製造業分野における特定技能評価試験に合格
  • 日本語能力試験N4以上
雇用主の要件
  • 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会(JAIM)の構成員であること
  • 外国人支援計画を実施すること※2
  • ※1 営業許可を要しない施設での就労も可能
  • ※2 支援計画の一部又は全部を登録支援機関に委託することができます。



製造業会社で働くための外国人材の給与

 上記在留資格「技術・人文知識・国際業務」、「特定技能」においては同職種同経験の日本人と同等な給与を支払わなければなりません。また、福利厚生についても外国人との理由で差別してはいけません。「特定技能」においても日本人と同等の給与に加え、支援計画の実施など人材を確保するための費用を加えると日本人以上のコストがかかるものなのです。


外国人が製造業会社で就労する場合の例外

  • 「永住者」、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者」などの在留資格者は就労に制限がなく。どのような業務に従事してもかまいません。
  • 「留学」の在留資格者が資格外活動許可を得て、決められた時間内に働くことは認められています。従事する業務にも制限はありません。
  • ワーキングホリデー制度を利用して「特定活動」の在留資格者も従事する業務に制限なく働けます。
  • 参加団体が主催する試験に合格し「特定活動」の在留資格者が得た者も、決められた業務に従事することができます。
在留カード/定住者

外国人材の製造業会社での就業の事例

技術・人文知識・国際業務で製造業会社での就業

 べトナム人H君は日本のアニメなどを通して、知った産業が発展した日本で働きたいと考えていました。H君は短期大学で機械工学の学科で学んだ後、べトナムの金属加工会社に就職し働いていましたが、新聞広告で日本での求人広告を見かけ、応募することにしました。べトナムでの面接等を経て採用が決まり、日本の雇用主が在留資格申請をしたうえでビザの発給を受け日本に入国しました。H君は派遣会社に登録したうえで、金型加工会社に派遣されCNC旋盤装置のプログラミングの業務に就きました。そして、休日には日本の伝統文化に触れたいと、信者仏閣や城巡りをして楽しみました。


まとめポイント
  • 「技術・人文知識・国際業務」では現場作業は認められない。
  • 「技術」では機械・電気・電子設計、品質管理、研究開発などの高度な業務だけが認められる!
  • 「国際業務」では海外取引、輸輸入書類の作成、翻訳通訳などの高度な業務だけが認められる!
  • 現業もするなら「、技術・人文知識・国際業務」ではなく「特定技能」、「特定活動46号」となる。!



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