就労ビザのよくある質問
最終更新日:2024年9月28日 行政書士 勝山 兼年
Q:外国に住む外国人を採用するにあたり、彼は高卒で日本学校と日本の専修学校で学んでおります。就労ビザは許可されますか?
A:彼が日本の専修学校で学び、専門課程を修了して「専門士」を付与されれば、専門課程で学んだ内容に応じた職種であれば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格・就労ビザが得られることがございます。
- 専門士及び高度専門士とは
「本邦において専修学校の専門課程の教育を受け、専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規程(平成6年6月21日文部省告示第84号)」
「高度専門士」の称号が付与される専門学校の要件
- 修業年限が4年以上
- 総授業時数が3,400 時間(124 単位)以上
- 体系的に教育課程が編成されていること 試験等により成績評価を行い,その評価に 基づいて課程修了の認定を行っていること
- 「専門士」の称号を付与された専門学校卒業生の就労を目的とする在留資格に係る上陸許可基準の見直しについて(法務省,平成23年7月1日)
従来,我が国の専門学校を卒業し「専門士」の称号を付与された外国人が在留中に我が国で就職する場合は,在留資格「技術」,「人文知識・国際業務」等の就労資格への在留資格変更を認めてきていました。一方,我が国で就職することなく,一旦帰国してしまった「専門士」については,「技術」,「人文知識・国際業務」等の就労資格で入国しようとする場合の上陸許可基準(法務省令)に大卒の学歴等を求める要件があり,これらの就労資格での入国を許可することができませんでした。 平成22年9月に閣議決定された「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」において,留学生支援のため,専門学校を卒業した留学生が単純出国してしまった場合でも,既に取得している「専門士」の資格をもって就労可能な在留資格を申請することについて検討することとされました。 今回の改正は,この閣議決定に基づき,留学生の就職支援を行い,更にはそのことを通じて留学生の受入れ促進を図る一環として,一旦帰国してしまった「専門士」について,上陸許可基準における学歴等を求める要件を緩和するものです。
Q:弊社で勤務している外国人スタッフは優秀です。この程日本人配偶者と離婚することになりましたが、就労ビザに変更しなければなりませんか?
A:外国人スタッフがの在留資格が「永住者」であれば、身分が変更(日本人は配偶者との離婚)しても、出入国在留管理局での在留資格の手続きは必要ありません。
外国人スタッフの在留資格が「日本人の配偶者等」であれば、出入国在留管理局での在留資格において手続きが必要で、いくつかの選択肢があります。彼が大学卒など、学歴要件を満たし、専攻した科目と御社での職務が関連していれば在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更が認められる場合があります。もし、学歴要件が満たしていなかったり、職務と専攻科目に関連性がない場合は「定住者」に変更することを検討してみてください。
離婚後の「定住者」への変更が認められる要件として
- 実体のある婚姻期間が3年以上継続していた
- 独立の生計を営むに足りる資産または 技能を有すること
離婚してから14日以内に入国管理局に離婚の事実を報告(配偶者に関する届出)を必ずしなければなりません。また、「日本人の配偶者等」の在留資格のままでは離婚後 6ヶ月を超えて日本に滞在することは認められておりません。日本への在留を希望される場合は、なるべく早い時期に他の在留資格への変更が必要となります。
在留資格変更許可申請提出書類(離婚後の定住者への変更)
- 申請書
- 身元保証書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 理由書
- 在職証明書
- 源泉徴収票
- 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
- 雇用主の概要を明らかにする資料(会社の登記事項証明書及び案内・パンフレット等)
- 勤務先との雇用契約書等
- パスポート 提示
- 在留カード 提示
Q:日本の大学を卒業しましたが、希望する会社では採用されず、就職浪人することになりました、就労ビザには変更できませんので留学ビザのままで日本に在留できますか?
A:「留学」の在留資格をもって在留するものは、学校を卒業した場合には在留資格の更新は認められません。就労ビザに変更したくても就職していないわけですから、それも出来ません。本国に帰らず、日本で就職活動を継続したいのであれば在留資格を「特定活動」に変更する必要があります。
- 大学等を卒業後就職活動のための滞在をご希望のみなさまへ(法務省:平成28年12月26日)
大学を卒業し又は専修学校専門課程において専門士の称号を取得して同教育機関を卒業した留学生等の方が,付与されている「留学」の在留資格の在留期間満了後も日本に在留して,継続して就職活動を行うことを希望される場合は,その方の在留状況に問題がなく,就職活動を継続するに当たり卒業した教育機関の推薦があるなどの場合は,就職活動を行うための在留資格(特定活動,在留期間は6月)への変更が認められ,更に1回の在留期間の更新が認められるため,大学等を卒業後も就職活動のために1年間本邦に滞在することが可能です。
在留資格変更許可申請提出書類
- 申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 採用・招へい理由書・職務内容説明書
- 申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書
- 委任状
- 委任状
継続就職活動を行っていることを明らかにする資料
- 直前まで在籍していた大学(専修学校)の卒業証書(写し)又は卒業証明書 及び専修学校の発行する専門士の称号を有することの証明書(専修学校卒業者のみ)
- パスポート 提示
- 在留カード 提示
卒業後、三か月以内に在留資格を「特定活動」に変更しないと在留資格取消しになる恐れがあります。
- 在留資格の取消し(入管法第22条の4の六)
入管法別表第1の上欄の在留資格(注)をもって在留する者が,当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合(ただし,当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除きます。)
Q:就労ビザをもって日本の貿易商社で働くものです。週末だけ英会話学校で教えることになりました?出入国在留管理局に届け出る必要ありますか?
A:在留資格の活動の範囲外で収入を得て、活動する場合は予め出入国在留管理局にて資格外活動許可を得る必要があります。ご質問の場合ですと就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」で在留するものが、英会話学校で英語を教えるのも「技術・人文知識・国際業務」の活動に該当していますが、活動に従事する会社がかとなることから、資格外活動許可を得うることが必要となります。
- 資格外活動許可
日本に在留する外国人は,入管法別表第1又は第2に定められた在留資格をもって在留することとされています。入管法別表第1に定められた在留資格は,就労や留学など日本で行う活動に応じて許可されるものであるため,その行うことができる活動は,それぞれの在留資格に応じて定められています。したがって,許可された在留資格に応じた活動以外に,収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合には,あらかじめ資格外活動の許可を受けていなければなりません。
就労ビザで在留する方の資格外活動許可は「雇用主である企業等の名称,所在地及び業務内容等を個別に指定」されています。また、単純労働には認められません。飲食店でのホール係などは許可されないのです。在留資格「留学」や「家族滞在」で在留する方の資格外活動許可(包括的許可)とは異なりますのでお気を付けください。
また、もともとの在留資格の活動を妨げたり、在留資格の活動を辞めたりした場合は資格外活動許可も取消となります。もともとの在留資格の活動先である勤務先を退社した外国人を、引き続きアルバイトさせていると、事業主も不法就労助長罪の対象になります。。外国人も資格外活動罪となり退去強制事由の該当となります。
- 出入国管理及び難民認定法施行規則(抄)第19条二
前号に掲げるもののほか,地方入国管理局長が,資格外活動の許可に係る活動を行う本邦の公私の機関の名称及び所在地,業務内容その他の事項を定めて個々に指定する活動