就労ビザからの永住申請
最終更新日:2023年11月24日 行政書士 勝山 兼年
在留資格を永住者にするには!?
日本に永住を希望する場合は、永住許可申請の手続きを行います。就労ビザで日本に在留する外国人が永住許可申請をするにおいて、通常の在留期間更新と比べて、納税や社会保険の適正な納付などより厳しい基準があります。
永住者になると、在留期間の更新や在留資格の変更をする必要がなくなります。また、在留活動の制限がなくなるので、就業する仕事の内容にも制限がなくなるなど、より柔軟な生活ができるようになりメリットが大きいです。
永住者になるとどんなメリットがあるの?
永住のメリット
- 在留期間の制限がなくなる→退去強制事由に該当しない限り、無期限に在留可能(※在留資格の更新は不要だが、再入国許可は必要)。
- 他の法令により制限がある場合を除き、在留活動は無制限。
- 配偶者や子が永住許可申請をした場合、一般の在留者よりも簡易な基準となる。
永住申請はどのようなタイミングで申請すればいいの?
永住許可申請提出期限
在留期間の満了する日までに申請すれば受理されます。ただし、永住申請の審査中であっても特例期間などには該当しません。在留期間の満了日までに永住許可がなされない場合は別途に在留期間更新許可申請をすることが必須です。在留期間更新をせずに在留期限を迎えるとオーバーステイになってします。通常、永住許可申請の審査期間は4ヶ月から6ヶ月です。
永住許可はどうしたらできるのか!?
就労ビザで在留する者の永住許可要件
- 日本に10年以上継続して在留している必要があります。(在留の10年間のうち就労ビザを継続して5年以上在留)
- 素行が善良であること。
- 独立して生計を維持することができること。
- 現在お持ちの在留資格で最長の在留期間を持っていること。
- 身元保証人がいること(身元保証人は日本人または永住権を持っている人に限られます)。
在留資格「高度専門職」からの永住許可要件は別途基準が緩和されております。
就労ビザで在留する者の永住許可申請提出書類
経営・管理の者は以下のものも追加
家族滞在の者は以下のものも追加
- ※上記は提出書類の一部です。個別状況により他の書類に提出も求められます。
- ※許可が成されれば手数料8,000円の収入印紙
納税を証明する具体的な資料とは
- 住民税・・・直近(過去5年分)の住民税納税証明書
- 所得税等・・・納税証明書(その3)「源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税についての証明(対象期間の指定は不要)」
※住民税は市区町村役場、所得税等は住所地管轄の税務署で発行されます。
公的年金の納付状況を証明する具体的な資料とは
納付状況の対象となる期間は直近2年間です。適正な納付とは保険料の納付期限(納付対象月の翌月末日)内に2年間納付がなされていたかが要件となるのです。厚生年金の方は会社で手続きしてくれるので心配ありません。国民年金の方は口座引き落としにしておくことをお勧めします。もし、過去二年間に納付期限を超えての支払たいがあるのでしたら、適正に支払ったら月から2年間継続した後に永住申請することをお勧めします。
- 厚生年金のみの方・・・直近(過去2年間)厚生年金だけに加入されていた方はねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
- 厚生年金と国民年金の方・・・直近(過去2年間)に厚生年金以外に国民年金に加入していた期間がある方は、その期間においては 当該期間分は国民年金保険料領収証書の写し又は被保険者記録照会票を提出。
公的医療保険の保険料の納付状況を証明する具体的な資料とは
納付状況の対象となる期間は直近2年間です。適正な納付とは健康保険料の納期限(毎月末日、末日が金融機関の休業日のときは、翌営業日。)内に2年間納付がなされていたかが要件となるのです。健康保険の方は会社で手続きしてくれるので心配ありません。国民健康保険の方は口座引き落としにしておくことをお勧めします。もし、過去二年間に納付期限を超えての支払たいがあるのでしたら、適正に支払ったら月から2年間継続した後に永住申請することをお勧めします。
- 健康保険に加入している方・・・直近(過去2年間)すべての期間を健康保険だけに加入されていた方は健康保険被保険者証の写しのみを提出
- 国民健康保険に加入している方・・・国民健康保険被保険者証の写しの他に、・直近(過去2年間)の健康保険料の納付すべき額がわかるを賦課状況連絡票と納付状況の国民健康保険料(税)納付証明書
家族全員で永住許可申請したい!
家族滞在からの永住許可申請
永住申請しようとする外国人の配偶者や子供などと同時に永住許可申請をする場合は、家族自身が一年以上日本に在留していること、配偶者は3年以上の実態のある婚姻期間が必要です。「独立して生計を維持することができること」の収入については申請する家族が増えることで基準となる額も増えることになります。
概ね外国人単独で申請する場合は350万円/年収から家族が増えるごとに80万円/年収が加算されると見込まれます。そしてこの収入については過去5年間満たしていることを求めらているのです。
家族滞在からの永住許可申請要件
- 配偶者、子供は日本在留1年以上
- 配偶者は実態のある法律上の結婚をして3年以上経過
就労ビザから永住許可不許可事例
- 扶養家族について
ベトナム人のTさんは妻と子供2人の4人家族です。Tさんお仕事はエンジニアで在留資格は「技術・人文知識・国際業務」で妻と子供は「家族滞在」です。妻はパートで食品工場で働いています。Tさんは日本在留後10年を経過したので永住許可申請をしましたが許可されませんでした。理由は妻はパート先に子供2人を扶養者として届出していましたが、Tさん自身も扶養者にしていたたことが理由でした。妻は扶養者から削除し遡って、控除されていた税金を納付し、更に2年間経過後在度申請し永住が許可されました。
- 収入について
パキスタン人のFさんは、留学生として来日し卒業後、日本の貿易商社に勤め5年が経過し、かつ来日後10年を経過したため永住申請をしました。しかし、結果は不許可でした。理由はFさんは3年前に母国の女性と結婚するために半年間会社に休暇を取り、寄港していました。その年の収入が少なく、また家族が増えために、収入の基準も上がり、生活の安定性がないとしての結果でした。二年後に一年間しっかり働いた収入の証明を5年分提出したところ、永住が許可されました。
- 過去5年間の収入が審査の対象。
- 過去2年間の公的保険、公的医療保険が対象。
- 10年間の在留かつ就労ビザでの在留が5年以上必要!