就労ビザのよくある質問Q&A
最終更新日:2024年9月28日 行政書士 勝山 兼年
Q:外国人観光客が多数宿泊するホテルです。それらに対応するための人材として外国人スタッフの採用を検討ています。許可されるでしょうか?
A:就労ビザが許可される可能性はあります。ただし、従事させる業務の内容が在留資格「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動(外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を要す必要とする業務)でなければなりません。フロア係やフロントでの受付係では該当する活動にはあたりません。具体的には外国人宿泊客集客の企画などで海外の旅行代理店との交渉や手配、外国人宿泊者向けの外国語での宿泊施設案内・パンフレットの作成などです。 また、予約サイトの作成や収益増加のため企画運営なども「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動(理学、工学その他の自然科学の分野若しくは、法律学、経済学、社会学、その他の人文知科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務)に当たります。
就労ビザが許可される可能性がある外国人は上記業務を出来る技術又は知識があることを証明できるものです。実務的には自然科学又は人文科学を専攻した大学を卒業したこと、その他、実務経験が証明できることです。
外国人の報酬については日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることとあります。具体的には月額18万円以上でないと同等額以上の報酬とはみなされないでしょう。
人件費を抑制するための単純労働者ではなく、従事させる業務が高度で専門的ならば就労ビザの許可はなされるでしょう。
Q:外留学生に内定を出したのですが、四月から入社してもらうための手続きはどうすればよいでしょうか?
A:留学生が就労するためには、在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に変更しなければならず、留学生住所地管轄の入国管理局にて在留資格変更許可申請をすることになります。
在留資格変更許可申請提出書類
- 申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 採用・招へい理由書・職務内容説明書
- 申請人の履歴書(申請に係る知識を要する業務に従事した機関及び内容並びに期間を明示)
- 最終学歴の証明書(卒業証書等)
- 職歴を証明する文書
- 雇用主の概要を明らかにする資料(会社の登記事項証明書及び案内・パンフレット等)
- 企業との雇用契約書等
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
- パスポート 提示
- 在留カード 提示
在留資格「技術・人文知識・国際業務」には学歴要件があり、提出書類については最終学歴の証明書(卒業証書等)とありますが、三月の卒業を待って、申請しても審査期間の関係上四月に就労ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更が許可されるとは限りません。そこで、留学生が在学中であって三月に卒業見込みであるものに限り、前年12月1日から在留資格変更許可申請をすることができます。申請後入国管理局から審査の結果について案内がありますが、当然大学等を卒業したことを証明するもの(卒業証書)を提出しなければ「技術・人文知識・国際業務」への変更の許可はなされません。また、留学生が専門学校生の場合にあっては専門士の称号が与えられた旨の証書の提出も求められます。
三月卒業見込みの留学生を採用し、四月から勤務させたいであれば、前年の十二月より入国管理局に在留資格変更許可申請できますので、採用される会社の方は秋口から準備することをお勧めします。
Q:就労ビザを持っている外国人を雇用しました。出入国在留管理局に対して何もしなくてよいのでしょうか?
A:雇用した外国人の在留期限が三か月以上残っているのでしたら、就労資格証明書交付申請することをお勧めします。
- 就労資格証明書
我が国に在留する外国人 からの申請に基づき,その者が行うことができる収入を伴う事業を運営する活動又は 報酬を受ける活動(以下「就労活動」といいます。)を法務大臣が証明する文書
以前の勤務先で許可された就労ビザ・在留資格が転職先でも資格該当性があるかの判断が成されていない状態となります。雇用主にとって、在留資格該当性がないにもかかわらず外国人を雇用し続ける事は不法就労助長罪(入管法第73条の2第1項の罪により、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)に適用対象になりかねません。就労資格証明書の交付を受けていれば、転職先での職務は在留資格資格該当性があるとの入国管理局が認めたものと言えますので安心です。在留期間更新においても、活動(職務)内容に変わりがなければ許可されることが予想され、転職後の在留期間更新不許可を未然に防ぐ事にになるです。
就労資格証明書交付申請提出書類
- 申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 採用・招へい理由書・職務内容説明書
- 申請人の履歴書(申請に係る知識を要する業務に従事した機関及び内容並びに期間を明示)
- 最終学歴の証明書(卒業証書等)
- 職歴を証明する文書
- 雇用主の概要を明らかにする資料(会社の登記事項証明書及び案内・パンフレット等)
- 企業との雇用契約書等
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
- パスポート 提示
- 在留カード 提示
もし、就労資格証明書が不交付の場合は、新しい勤務先での職務では在留資格該当性がないとの事ですので、外国人雇用者には在留資格該当性のある会社での職務に就くよう転職を進めてください。
Q:留学生として日本に来て、現在は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で在留している者です。日本に来てもうすぐ10年になりますので永住ビザを取れますか?
A :就労ビザで在留する外国人にとって、永住許可申請をする要件として「引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。」とあります。従って、相談者様が日本にきて10年経過しても、就労ビザでの在留期間が五年以上なければ要件を満たしたことになりません。就職してから五年を待って、永住許可申請をしましょう。
永住可申請提出書類
- 申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
- 在職証明書
- 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
- 身元保証書
- 身元保証人に係る次の資料 (職業を証明する資料、直近(過去1年分)の所得証明書)
- パスポート 提示
- 在留カード 提示
尚、申請時点の在留期間は「3年」以上でなければなりません。