
過去にした在留資格申請の情報公開
最終更新日:2025年2月24日 行政書士 勝山 兼年
過去の申請内容と異なる事項があると指摘された
在留資格申請をするにあたり、過去に日本に在留していたり、在留を試みて認定証明書交付申請をした経歴がある者がした申請内容が過去の在留資格申請の内容と著しく異なる場合、申請内容に信ぴょう性が無いとされ、許可されない事があります。過去の申請は申請者が署名しているため内容ついては、出入国在留管理局審査官は間違いがないと認識されますが、実務的には書類の作成をエージェントに頼んだり、技能実習などの送り出し機関が作成していたりで、申請者自身は内容をしっかり覚えていないことがあります。真実は一つなのですが、実際は許可を得ようと虚偽に内容が記載されているにもかかわらず、申請者は言われるままに署名しているケースも多々みられるのです。
申請者自身で控えを保管していたり、申請内容を完璧に把握している事は稀です。曖昧な記憶をもとに申請書類を作成するのではなく過去の申請内容を把握したうえで真実と異なる内容が記載されているのでしたら、真実を記載するとともに、以前の申請に間違った内容が記載されたことについての合理的説明をしなくてはならないのです。
過去の申請内容を資格に把握するために、情報公開制度を利用することをお勧めします。

開示請求できるものは何?
開示請求の種類
開示請求できるものは様々ありますが、出入国在留管理庁に対して過去の在留資格申請書類を開示してもらうものを「保有個人情報開示請求」といいます。
- 出入(帰)国記録に係る開示請求
- 外国人登録原票に係る開示請求
- 死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求
- 保有個人情報開示請求
保有個人情報開示される内容とは
過去の在留資格認定証明書や在留資格変更許可申請書、在留資格更新許可申請などの書類の他、申請時に添付した提出書類です。ただし、他社がかかわる情報については黒塗りにされるなど開示されないものものあります。
情報公開請求をする窓口は何処?
出入国在留管理庁の開示請求先
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の各出入国在留管理局本局の総務課窓口です。出入国在留管理局でも支局や出張所では受け付けてもらえません。在留資格申請が出張所でされたものであっても、その出張所を管轄する本局の窓口で受け付けられるのです。過去の申請が支局や出張所でされたのでしたら窓口で情報開示請求をする場合は、必ず申請した支局や出張所を管轄する本局で開示請求をしてください。管轄外では開示がなされません。
郵送請求する場合は「出入国在留管理庁総務課 情報システム管理室 出入国情報開示係」宛に開示の請求します。

開示請求の方法
開示請求できるのは本人の他、法定代理人と任意の代理人です。申請の際に本人確認書類と、開示請求書、返信用封筒などを提出してください。法定代理人がする場合は親子関係を示す書類、任意代理人がする場合は委任状も必要です。公的証明書類については請求日の30日以内に発行されたも出ないといけません。
- 開示請求書
- 本人確認書類(在留カード、運転免許証、マイナンバーカード)
- 返信用封筒
- 手数料として収入印紙300円
- 住民票・・・郵送の場合のみ
- 委任状・・・任意代理申請の場合のみ
- 受任者の印鑑証明書・・・任意代理申請の場合のみ
- 受任者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)・・・任意代理申請の場合のみ

開示決定までの期間
開示請求のあった日から30日以内に開示決定されます。

在留資格申請情報開示請求事例
- 過去の申請で記載した経歴を知りたい。
ベトナム人Fさんは在留資格「家族滞在」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請をしたところ申請内容に信ぴょう性が無いとのことで、不許可となりました。理由は過去にFさんが「技能実習」として在留する際にした申請書の経歴と今回の申請に記載内容が著しく異なるいとのことでした。Fさんの「技能実習」の申請は当時の送出し機関だ作成し、Fさんは内容を把握していなかったため、Fさんは出入国在留管理局の総務課を訪れ、「保有個人情報開示請求」を申請しました。しばらくして開示された「技能実習」での在留資格認定証明書交付申請に関わる書類の写しが送られてきました。経歴については事実とは異なるでたらめな内容でした。Fさんは送出し機関が作成した内容で事実おは異なり、尚且つ、当時の申請時に確認せずに署名したことを反省した内容の理由書を添えて再申請したところ、無事に「技術・人文知識・国際業務」への在留資格が許可されました。

- 保有個人情報開示請求をすれば過去の申請内容が判る。
- 開示請求は地方出入国在留管理局の本局と郵送。
- 開示請求後30日以内で開示される。