就労ビザのよくある質問Q&A
最終更新日:2024年9月28日 行政書士 勝山 兼年
Q:「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザ・在留資格で日本の企業で働いているものです。本国の両親を「家族滞在」の在留資格で招へいしましたが、許可されませんでした。どうすれば許可されるでしょうか?
A:「家族滞在」に概要するのは「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「投資・経営」,「法律・会計業務」,「医療」,「研究」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」,「企業内転勤」,「興行」,「技能」,「文化活動」,「留学」のいずれかの在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子です。親は含まれていません。
そこで在資格該当性がありそうなのは「特定活動」です。
- 「特定活動」(老親扶養)
- 本国の年老いた親が到底独立して生活できる状況ではなく、さらに、本国には誰も面倒をみてくれる人がいない場合に日本に呼び寄せて一緒に生活すること。
「特定活動」(老親扶養)は明確な審査基準があるわけではありませんが
- おおむね65歳以上の実親で
- 日本で暮らすもの以外の他の実子がおらず扶養する者がなく
- 死亡や離婚により一人親である
- 日本で扶養する在留資格をもつ外国人に扶養能力があること
以上の条件になります。 病気の治療など介助が必要でで日本での治療が望ましいことが加わればなお良いです。
- 「特定活動」(老親扶養)の手順
- 特定活動には「入管法規定の特定活動」と「法務大臣の告示する特定活動」の他にはっきり明示されてないものがあります。(老親扶養)の場合は後者であり、それらは「告示外特定活動」と呼ばれています。外国から呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請は出来ず 、一旦短期滞在査証(90日)で日本に呼び寄せたうえで、在留資格変更許可申請をすることになります。
- 「告示外特定活動」は個々の外国人の事情により付与される資格といえますので「単に高齢だからという理由だけではなく、日本で家族と同居し、日本の家族の扶養を受ける必要がある等、この申請には特別な理由がある!」と判断してもらわなければなりません。
Q:今年設立したばかりの会社ですが、外国人を雇用しても、許可の可能性はありますか?
A:可能性はあります。
「技術・人文知識・国際業務」の場合、受入機関(外国人が勤務する会社)の立証資料として
- 受入機関の商業・法人登記事項証明書
- 直近年度の年度の決算書の写し
- 受入れ機関の事業内容を明らかにする資料(会社案内・パンフレット等)
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し
- 雇用する外国人との労働契約書等の写し
などです。 このうち「前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し」設立間もない場合は提出いたしません。また、「直近年度の年度の決算書の写し」については「事業計画書」を代わりに提出することになります。
- 事業計画書の作成ポイント
- ・事業内容が理学、工学その他の自然科学の分野 若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは 知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要と する業務”であり外国人でなければならないこと.
- ・事業規模について、雇用するだけの売上であり、具体的に仕入れ先や販売先を明示することそれらを疎明するために売買契約書」等も添付する
- ・法人設立までの経緯を詳細に説明し、法人役員が事業において過去に実績があり、事業計画の実態により真実性を高めることなどです。
- また、会社案内などには費用をかけてしっかりと作成し、その他に会社事務所には外国人が直ぐに働けるように机やパソコンなどを用意しそれらの写真を提出することで、虚業ではなく実業であることを積極的に証明することお勧めします。
Q:就労ビザの申請を行いましたが、不許可になりました。再申請するか裁判するか迷っています、どうすればよいでしょうか?
A:在留資格認定証明書交付申請不交付処分の場合、不交付通知書と共に一年以内に行政事件訴訟法第46条に基づき、取消訴訟ができる旨の案内があります。気軽にできそうな案内ですが、国の機関を相手にする訴訟ですので、時間や費用、エネルギーが相当必要となります。一方、再申請に関しては在留資格認定証明書の不交付の理由が解決できましたら、在留資格認定証明書が交付される可能性があり、就労ビザを得ることの現実的な対応として、取消訴訟よりも再申請するほうを選択することが自然でしょう。
- 再申請の手順
在留資格変更許可申請の申請人(就労ビザを得たい外国人)、在留資格認定証明書交付申請の場合は法定代理人(外国人を採用したい法人)が不許可(不交付)の理由を入国管理局に出向いて説明を受けます。理由について解決できるのであれば、解決できたことの証明を持って再申請することになります。再申請の場合であっても、一度目の申請の時と同様の書類の提出が求められます。
不許可(不交付)の解決事例
- 実務経験期間が10年に足りない場合・・・本国で引き続き実務を続けて、10年に達した時点で再申請をする。
- 学歴要件が不明な場合・・・卒業証明書や成績証明書を本国の大学から取り寄せる、または日本の専門学校等を卒業する。
- 採用する会社が事業実態が不明瞭な場合・・・海外の取引先との契約書等を揃える。実際にが海外と取引をして、貿易関係の書類を用意する。
- 雇用契約書の内容が労働基準法に定められてものではない場合・・・社会保険労務士等の専門家に相談して法令を遵守したものに作り直す。
- 原始的に就労ビザが無理な場合は、日本在住の外国人は許可が成される業種の会社への就職を考える。また、採用する会社に関しては、実務経験期間や学歴など就労ビザの在留資格認定証明書が交付される人材を採用することを考えてください。
Q:就労ビザに必要な学要件について、大学には短大は含まれますか?大学と同等以上の教育を受けとはどのようなことをいいますか?外国の専門学校卒業でも学歴要件を満たしますか?
A:「大学」は、短期大学、大学院、大学の付属の研究所等が含まれます。
「大学と同等以上の教育を受け」とは、大学の専攻科・大学院の入学に関し、大学卒業者と同等であるとして入学資格の付与される機関及び短期大学卒業と同等である高等等専門学校の卒業者が該当します。
専門学校卒業とは日本の学校のみです。
本邦において専修学校の専門課程の教育を受け、専修学校の専門課程修了者に対する専門士及び高度専門士の称号を付与された専門士及び高度専門士 でなければなりません。
- 学歴に関わる立証資料
・大学等の卒業証明書又はそれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書。