就労ビザとは

最終更新日:2024年8月9日   行政書士 勝山 兼年





就労ビザとは就労活動に対しての在留資格

 日本では日本国籍のない外国人が日本で暮らすために在留資格制度を設けています。外国人は何らかの在留資格が許可されて日本で暮らしているのです。在留資格は活動内容に応じて分類されており、その中で日本で働くことを目的とした在留資格のうちの数種類が言葉の通称として「就労ビザ」と呼ばれているのです。




就労ビザの種類

 働くことを目的とした在留資格の中でも、従事する職務の内容や会社での地位などにより異なる種類があります。

技術・人文知識・国際業務

エンジニアやプログラマーなどの技術系、企画や営業などの人文知識系、通訳・翻訳、貿易事務などの国際業務系に別れます。学歴要件が重要ですが、実務経験での取得も可能です。学歴や実務が日本で従事する業務と関連していることが重要です。理科系の科目を履修した者が、人文系の仕事に就くのは関連性が無く許可がされません。


技能

料理、建築・土木、製品の製造・修理、宝石・貴金属・毛皮の加工、動物の調教、石油探査・海底地質調査、航空機の操縦、スポーツの指導、ワインの鑑定・評価等の9種類が認められています。10年以上の実務経験を証明しなくてはなりません。実務経験の証明とはその時の勤務先より、在勤証明書を書いてもらうことです。一か所の勤務先の期間が10年に満たさなくても、複数の勤務先より合計10年以上の在勤期間を証明できればいいのです。


企業内転勤

日本国に在籍する会社と資本関係のある海外の会社からの転勤者に与えられる在留資格です。海外の会社での在籍期間が1年以上必要で、学歴は問われません。学歴を問われないとは高度の業務ではない単純労働ができるとの意味ではありません。あくまでも就労ビザの基準であって、従事する業務は「技術・人文知識・国際業務」と同等の範囲となります。


経営・管理

外国人が日本国で投資をして事業を経営するためのものと、外国会社の日本支社の責任者として経営を管理する者とに分かれます。在留資格「経営・管理」はあくまでも経営することが前提です。投資をするだけでは基準を満たせません。事業の経営判断、資金の調達などの会社の重大な責任を負った立場での活動することになります。ですので、現業することは見とまられて、おらず従業員を雇用していることが必要です。



その他の報酬を得る活動をする在留資格

 「法律・会計業務」、「報道」、「教授」なども日本での所属先から報酬を得るなど働くための在留資格ですが、一般的に「就労ビザ」に含まれてはいません。在留資格審査において基準が独自にあるからです。



技能実習生は

 在留資格の「技能実習」は「就労ビザ」には含まれません。期間が限定されていることと給料をもらうなど報酬を得てはいますが、働くのではなく、実習を受けていることが建前だからです。転職も認められておらず、受入れ団体の管理のもとで生活するなど「就労ビザ」とは異なるのです。



特定技能で働くのは

 深刻化する人手不足に対応するため、在留資格「特定技能」が追加されました。就労活動のための在留資格ですので就労ビザに含まれます。ただし、在留資格「特定技能」については雇用主側に多くの義務があり、通常の就労ビザで外国人を雇用するのとは、負担が違います。就労ビザのような学歴や実務経験の要件はありませんが、手続きは複雑で雇用後も雇用主に生活や仕事の支援を行う義務があるなど、他の就労ビザとは大きく異なります。



アルバイトで働くのは

 留学生などがアルバイトで働くのは当然就労ビザではありません。在留資格「留学」や「家族滞在」で日本に在留している外国人には生活費の補填の意味合いで1日4時間、週28時間の就労が認められていますが、それらのものには本来の在留資格に応じた活動をしていることが前提です。学校を辞める、配偶者と離婚するなど、本来に在留資格活動を辞めた時点で、アルバイトも出来なくなるのです。ちなみにアルバイトをするためには事前に資格外活動許可の申請をしておかなければなりません。




就労に制限のない外国人たち

 日本には2023年末時点で332万人の外国人が暮らしており、日本の人口の2.6%の割合となります。これらの外国人の殆どが就労ビザではなく、身分に関する在留資格です。日本人と結婚していたり、日系人であったりの方たちです。これらの方は就労に制限がなく、多くは生活のために働いていますが、学歴や実務経験などの基準もなく、自由に働けるのです。また、在留資格を持って一定の期間を日本で暮らすと永住許可が得られます。この方達も就労に制限はありませんが、もともとは就労ビザで日本に暮らしはじめた方も多く含みます。



就労ビザの申請先

 就労ビザの申請先は出入国在留管理局です。留学生など外国人が既に日本で暮らしている場合は外国人の住所地管轄の出入国在留管理局。外国人がまだ海外在住であれば、勤務先会社の職場所在地管轄のある出入国在留管理局となります。






就労ビザの申請方法

 就労ビザの申請方法は日本で何らかの在留資格を得て暮らしている外国人は「在留資格変更許可申請」をします。海外から招へいする場合は「在留資格認定証明書交付申請」となります。

在留資格変更許可申請

外国人本人が申請者となり申請します。許可がなされても市役所等での住民登録などは特に不要です。




在留資格認定証明書交付申請

日本の招へい会社の担当者が代理人となってする申請です。在留資格認定証明書が交付されれば、それを外国人に郵送し、在外の日本国大使館総領事館でビザの発給を受けて日本に入国することになります。日本入国後に住民登録してください。




就労ビザの期間

 在留資格には期限が定められています。引き続き同じ就労活動での在留を望むのでしたら「在留期間更新許可申請」をして許可を受けなければなりません。同じ職種など従事する活動が変わらないのであれば、在留資格はそのままで「在留期間更新許可申請」をしてください。在留期間半ばで、転職した場合は「就労資格証明書交付申請」をしておくことをお勧めします。






まとめポイント
  • 従事する就業内容により、在留資格がことなる。
  • 就労ビザがあればどんな仕事をしても良いわけではない。
  • 海外在住と日本在留で申請の手順が異なる。



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