ホテル・旅館などの宿泊業運営会社が外国人を採用するための就労ビザ

最終更新日:2025年12月25日   行政書士 勝山 兼年




外国人労働者がホテル・旅館で働く就労ビザ取得の解説!

 日本のホテルや旅館で働くための外国人労働者のビザ要件が厳しく定められています。人手不足に悩む宿泊業界では外国人の積極的な採用が進んでいますが、その際に必要となる在留資格は「技術・人文知識・国際業務」や「特定活動46号」、「特定技能」であり、特定の要件が求められます。一方で、「永住者」や「日本人の配偶者等」など特定の在留資格を持つ外国人には就労制限が無いこと、また留学生や特定活動の在留資格者も一定の制約下で働くことが可能であることをご紹介します。ビザの取得に関する具体的な許可事例や不許可事例、特例についても詳しく解説します。

留学生を宿泊業運営会社が採用し在留資格を変更する流れ



 留学生を採用する場合、在留資格が「留学」のままでは就労させてはいけません。在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変更する手続きを出入国在留管理局に対して行う必要があるのです。

既に日本の他の宿泊業運営会社で働ている外国人を採用する流れ






企画や営業職として働く在留資格該当性

 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格該当性において、外国人の母国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする場合や、大学や専門学校で学んだ当該技術もしくは知識の関連する業務でなければなりません。具体的には母国語を必要とする外国人客相手のフロント業務、旅行会社に外国人向けの宿泊パックの企画、外国人客専用のホテル専用のWEBサイトやパンフレットの作成です。清掃や別途メイキング、荷物運びやレストランでの配膳などは単純労働とみなされ「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は認められません。


ホテル・旅館等施設での「技術・人文知識・国際業務」許可事例

  • 中華人民共和国に限らず、台湾、香港など中国語が母国語の者が中国人宿泊客が多く訪れるホテルでのフロント業務に従事する。
  • 観光学(国際コミュニケーション学、リベラルアーツ学、観光ビジネス学)を学んだ者が習得した知識を活かして外国の旅行会社向けの宿泊パックに企画・広報業務に従事する。
  • WEBサイトのプログラミングを学んだ者が、習得した知識を活かしてホテル専用の外国人向けのWEBサイトやパンフレットの作成に係る業務に従事する。
  • 英語を母国語とする者が外国人宿泊客が多いホテルで施設案内、また、同ホテルの日本人従業員に対し英語を用いた接客方法を指導する業務に従事する。



ホテル・旅館等施設での「技術・人文知識・国際業務不許可事例

  • 大学で経営学を学んだ者が、専ら客室の清掃やベットメイキング業務に従事する。これらの業務は単純労働とみなされ、外国人申請人の学歴が相当だとしても許可されません。
  • 外国語学部を卒業した者が、ホテル内のレストランで配膳作業に従事する。例え、外国人客が多いホテルでの外国語での応対をする場面が多いとしても、主たる業務が配膳であれば単純労働とみなされ許可されません。
  • WEBサイトのプログラミングを学んだ者が、外国人向けの専用サイトの作成に係るとしても、月給が16万円だった場合は許可されません。同業他社の日本人の給料と比較して、同等でなければなりません。

 ホテルの研修の一環として、相当な期間内に清掃や配膳などの単純労働をさせることは認められますが、その場合は職務内容に必要な研修内容であることを合理的に説明する書面を求められます。


在留資格「特定活動46号」

 在留資格「特定活動46号」は上記の「技術・人文知識・国際業務」よりも幅広い活動が認められています。ホテル、旅館等で働く外国人留学生アルバイトの指導係などは「技術・人文知識・国際業務」では認めらていませんが「特定活動46号」では認められます。また、現場での調理、接客、店舗管理に従事することも認められています。

 能力要件においては、日本の大学又は大学院を卒業していなくてはなりません。また、日本語能力として語日本語検定N1または専攻は「日本語」でなければなりません。

特定活動46号の概要

 本制度は,本邦大学卒業者が本邦の公私の機関において,本邦の大学等において修得した広い知識,応用的能力等のほか,留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として,幅広い業務に従事する活動を認めるものです。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格においては,一般的なサービス業務や製造業務等が主たる活動となるものは認められませんが,本制度においては,上記諸要件が満たされれば,これらの活動も可能です。ただし,法律上資格を有する方が行うこととされている業務(いわゆる業務独占資格が必要なもの)及び風俗関係業務に従事することは認められません。

特定活動46号においてホテル、旅館等で働くための外国人の能力要件
  • 日本の大学・大学院を卒業していること御
  • 日本語能力検定N1 or BJTビジネス日本語能力テスト480点以上または大学又は大学院において「日本語」を専攻してていること




在留資格「特定技能」で働く

 在留資格「特定技能」は平成31年4月にスタートした制度です。「技術・人文知識・国際業務」では認められない清掃、ベットメイキングなどの宿泊業全般をすることが認められています。 宿泊業全般に係わる業務とは施設に人手不足が最も懸念される飲食物給仕係にも従事可能です。




 「特定技能」の人的要件は大学や専門学校を卒業している必要はなく特定技能能力試験合格とN4以上の日本語能力を求められるだけです。例えば、本国で高校卒業者であっても「留学」の在留資格で日本に在留中に上記の試験に合格さえすれば要件を満たすことになります。経済的に進学が難しい者であっても日本で就労ビザが取得できる最短の制度なのです。

 一方外国人を採用する側である雇用主は「技術・人文知識・国際業務」にはない、外国人支援計画を作成し実施しなくてはなりません。自社で支援を行うのであっても相当な労力が必要です。また、支援計画実施に当たって一部または全部を登録支援機関に委託することが認められています。この場合は登録支援機関への委託費用が給料以外のコストとなるのです。


ホテル、旅館等施設で働くための「特定技能」の要件

外国人の能力要件
  • 18歳以上の男女
  • 宿泊業技能測定試験に合格
  • 日本語能力試験N4以上
雇用主の要件
  • 法令に基つく許可等を受けている飲食サーブス業※1
  • 国土交通省観光庁設置の宿泊分野特定技能協議会の構成員であること
  • 外国人支援計画を実施すること※2
  • ※1 営業許可を要しない施設での就労も可能
  • ※2 支援計画の一部又は全部を登録支援機関に委託することができます。



宿泊業運営会社で働くための外国人材の給与

 上記在留資格「技術・人文知識・国際業務」、「特定技能」においては同職種同経験の日本人と同等な給与を支払わなければなりません。また、福利厚生についても外国人との理由で差別してはいけません。「特定技能」においても日本人と同等の給与に加え、支援計画の実施など人材を確保するための費用を加えると日本人以上のコストがかかるものなのです。


外国人がホテル、旅館等施設で就労する場合の例外

  • 「永住者」、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者」などの在留資格者は就労に制限がなく。どのような業務に従事してもかまいません。
  • 「留学」の在留資格者が資格外活動許可を得て、決められた時間内に働くことは認められています。従事する業務にも制限はありません。
  • ワーキングホリデー制度を利用して「特定活動」の在留資格者も従事する業務に制限なく働けます。
  • 参加団体が主催する試験に合格し「特定活動」の在留資格者が得た者も、決められた業務に従事することができます。
在留カード/定住者

外国人材のホテルでの就業の事例

技術・人文知識・国際業務で宿泊業運営会社での就業

 留学生として専門学校に通う中国出身のIさんは観光業について学んでいました。卒業後も日本で働きたく、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の許可を得てホテルに就職しました。Iさんのホテルでの業務は主な宿泊客の中国人への接客やトラブルの対応と、中国旅行会社への集客のための宣伝やイベントの企画などです。


特定技能でホテルでの就業

 留学生として日本語学校に通うベトナム出身のG君は観光業興味がありました。勉強よりも働くことを好んだG君は専門学校などに進学せず、国土交通省主催の技能試験に合格し、日本語検定N4も取得したため、日本語学校卒業時に採用されたホテルで就職すべく在留資格を「留学」から「特定技能」に変更する許可申請をしました。在留資格変更後、G君はホテルで接客の他、清掃やベットメイキング、アルバイトの管理など、多くの職種をこなしました。





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